「風をつなぎ森をめぐるヴィラ(COCOON西田中EAST」がグッドデザイン賞を受賞しました!

以下のリンクより、2023グッドデザイン賞の受賞ギャラリーが閲覧できます。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/15559?text=UAPP

審査員による評価コメント

医療型ショートステイというあまり馴染みのない施設であるが、ここは医療ケアを必要とする子供たちの短期入所ができる施設である。親から離れて泊まるだけでも、子供たちにとっての不安は大きなものだろうから、入院というより宿泊という雰囲気をつくってあげるのは重要だ。中庭を持った平面計画も、内部の居心地の良さに貢献している。このようないわゆる「児童福祉施設」には施設というより家のような空気感をつくっていくことが大切だろう。これは間違いなくデザインの力で実現できることの一つであろうし、このような好例は多くの人たちに知ってもらいたい。

社会福祉法人 あいの実より

社会福祉法人あいの実は「人からしてほしいと思うことを、人にする」を法人理念に、福祉施設とはどうあるべきかを考えてきました。その一つの形として、『ヴィラ型ショートステイ』という、利用者家族も泊まってみたいと思えるショートステイを建築しました。

重症心身障害児者・医療的ケア児者の家族は医療機関や福祉施設との関わりが非常に多くあります。福祉施設に来るたびに自分の子供の置かれている状況を突きつけられ、また自分自身の置かれている状況を再認識しなければなりません。

福祉施設とは思えないようなデザインを取り入れることによって、ネガティブな感情を少しでも緩和できればと、都市建築設計集団 / UAPP(代表 手島浩之氏)と共に企画された建物です。

今回の受賞は、利用している人とその家族にとって誇りを持てる福祉施設を作りたいという法人の方向性が評価されたものと思います。

あいの実の法人理念「人からしてほしいと思うことを、人にする」は、自分と相手を置き換え、最大限想像力を働かせることを促しています。私たちは当事者ではありませんが、当事者や家族がどんな思いでいるか、どんなことを願っているか、どんな未来を描いているか、考え続けています。時にはそれが的外れなこともあると思います。それでも、支援のために想像力を働かせることは障がいと共に生きる方たちの権利を守るために非常に大切だと考え、続けていきます。

社会福祉法人 あいの実  理事長  乾  祐子
  専務理事 久保潤一郎

建築的説明/4つの機能、4つのにわ、4つの風除室

4つの機能: 『風をつなぎ森をめぐるヴィラ』は,4つの機能で構成されています。ひとつめは通所施設である生活介護棟,ふたつめは短期入所棟で,このふたつが施設の主要機能です。そしてそれらの施設利用者を衛生面で支える浴室棟,これら機能の維持に必要な人的側面を支える事務棟です。
4つのにわ: 「4つの機能」を環境・景観面で支え,いろどりを加えるのが「4つのにわ」です。竣工時には正面庭・中庭が完成しています。この庭に植栽された植物は近郊の雑木林から枝ぶりのいいものを採取してきた「やまどり」の樹々であり,地下支柱によって施工されています。残り2つの庭,ビオトープ庭園とカフェ棟は,二期工事として2023年度に建設予定です。
4つの風除室: 「4つの機能」と「4つのにわ」を多様な形で結ぶのが,4つの風除室です。庭を経由して他の棟に移動したり,ついふとした時に季節を感じたり,この施設に「内と外が一体になった回遊性」をもたらします。
 こうした「風景をつなぎ,森をめぐる回遊性」がこの施設を利用する利用者・ご家族・スタッフの日常生活を豊かにしてくれることを願って計画しました。

都市建築設計集団/UAPP 手島浩之

T島

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