仙台市泉区に建設を進めている「社会福祉法人)あいの実 西田中新施設」が上棟を迎えました。
この施設は重度の心身障害者・医療的ケア者のための「生活介護施設」及び「医療型短期入所施設」の複合施設です。「医療型短期入所施設」とはあまり聞きなれない言葉ですが、我々素人には分かり辛いのですが、医療と福祉の間には法律や制度上の深い深い溝があり、医療的ケアを必要とする障害者たちは、その深い溝の間で、取り残された存在でした。その間を取り持とうとする試みが「医療型短期入所施設」です。全国的にも珍しく、東北には事例がない施設です。
この模型は、内装検討用の1/30の模型です。中がのぞけるように模型が分割されています。中を覗いて「こうじゃないな」とか言いながらどんどん作り変えていっているので、もうぼろぼろの状態です。また、けっこうデカくて、持ち運びにも本当に苦労しています。でも、クライアントと設計の内容を共有するために重要なツールです。
生活介護棟
こんなふうに現場が立ち上がってきています。基本的にほぼ平屋で、中庭を取り囲んでそれぞれの施設が数珠つなぎに連なっています。その経路の中に、中庭や周囲に抜ける風景を織り込んでおり、歩くたびに様々な空間体験が展開します。
来年3月には見学会を開催したいと思っています。なかなかこういう施設にはなじみがないかもしれませんが、建築の持つ空間性を理解するには面白い事例だと思います。
(T島)
「社会福祉法人あいの実 本部施設・あいの実クランベリー」についてはこちらをご覧ください。
竣工当時は2階部分は住宅でしたが、事業拡大により、2階も事務所として使われています。